病気やケガで働けない場合の公的保障

いざというときには「傷病手当金」

病気やケガで仕事ができず、有給休暇を使い果たしてしまったらどうなるのでしょうか?欠勤扱いで給料がもらえないとしたら、大ピンチです。

会社員が加入している健康保険なら「傷病手当金」が救世主となってくれます。

これは、病気やケガで労務不能となり、収入が減少またはもらえないときの生活の不安に対し、その所得を保証する目的で設けられた健康保険の制度です。連続3日以上仕事を休んでいるときに、最初の3日を除いて4日目から支給されます。

支給にあたっての条件は次のようになります。なお、入院が条件ではありま
せんので、自宅療養でもOKです。

▼「傷病手当金」が支給される条件

①病気やケガのため働けないこと
②労働不能であること
③連続3日以上、労務不能であること
④給料の支払いを受けていないこと
(給料の支払いを受けていても、その額が傷病手当金より少ないときはその差額を支給される)

なお、任意継続被保険者に対する傷病手当金の支給は、平成19年4月で廃止されました。

支給される金額の改正(平成19年4月から)

傷病手当金の金額に関しても、平成19年4月よりその額が改正されています。平成19年3月までは、1日につき標準報酬日額の6割の金額だったものが、「標準報酬日額の3分の2に相当する額」に引き上げられたのです。支給期間は支給を開始された日から1年6カ月を限度として支給されます。

給料をもらったときは、「傷病手当金」は支払われませんが、給料が「傷病手当金」の日額よりも少ないときは、その差額を受けられます。

ただし、同一の傷病により障害厚生年金または障害手当金を受けている場合には、支給されません。会社員の場合、毎月の給料から健康保険料が引かれていますが、傷病手当金があるので、1年6カ月の間はある程度の収入は確保できます。

しかし、収入が減ったり途絶えたりしても住宅ローンなどの返済がある場合には支払いを続けていかなければなりませんので、その額も踏まえて必要保障額を算出し、公的保障とその他とのバランスを考えていく必要があるでしょう。

自営業者の国民健康保険には、残念ながら「傷病手当金の制度」はありません。ケガや病気で仕事ができなくなった場合、ダイレクトに収入減になります。サラリーマン以上に準備しておく必要があります。