保険料の相場はどのくらい?

手取り収入の1割以下に抑える

デフレ続きのために家計が厳しくなり、保険料の節約を試みる人が少なくありません。そんなときに、保険相談の現場でよく質問されるのが「保険料の相場」ってどれくらい?ということです。

同じ保険種類で、同じ年齢・性別の人の保険料が知りたいということであれば、各社の保険料の見積もりをとって提示するのはもちろん可能です。

けれども、「保険料の相場」という質問に対しては、「一概に言えない」というのが正直な答えです。

ただ、一つ言えることは、「収入」によって一定の目安があるということです。入ってくるお金以上に高額な保険料は払えませんから、収入をもとにした判断は一つの尺度になりえます。

とはいえ、収入と保険料の相場に関して、明確に確立された標準的な基準はありません。個々のFPや保険販売員によっても、尺度や目安は異なっています。

これまでの保険相談の経験にもとづいて、私なりの目安をぎつくりと示すとすれば、月払保険料は「手取り収入の5~10%」が限度です。

これは、掛け捨ての生命保険に関してのみの割合で、年金保険や学資保険といった、明らかに将来に向けた貯蓄目的の保険については原則として含めないで計算します。

例えば、手取り月収が20万円のご家庭なら、月払保険料の上限はおおむね2万円。これを超えてくると、保険料負担が重くて家計が苦しいと感じているご家庭が多いという印象を持っています。

根拠は、ほかの家計支出との兼ね合いです。家計支出の内訳は個々のご家庭で千差万別なのですが、これまで見てきた多くのご家庭では、住居費、食費、水道光熱費などの固定費が、家計支出の5~7割を占めていました。

したがって、それ以外の被服代やおけいこ代、レジャー代、こづかい、貯蓄、保険料などは、残りのお金でまかなう計算になります。ところが、夫のこづかいが減ったり、貯蓄が全然できな陪てんくなったり、月々の収入では足りない被服費やレジャー代などをボーナスから恒常的に補填したり・・。

このような兆候が表れるのは、月払保険料だけで1割以上を占めているご家庭という傾向が大きいのです。収入が減ると、削りやすい部分から削るのは当然のなりゆきなので、固定費以外の部分に顕著にしわ寄せが生じるわけですね。ちなみに、生命保険文化センターの調査を見ると、年収が増えるにしたがって保険料負担が増える傾向が見られます。

しかし、年収が倍になったからといって、保険料も倍になるというわけではないことがわかります。年収が増えると、貯蓄が増える分だけ、保険でまかなうべき額が少なくてすむからです。

逆の見方をすれば、年収が少ないご家庭ほど家計に占める保険料負担の割合が大きいため、保険の見直しなどの効果が大きくなります。