プロが語る保険パンフレットの見極め方

プロが語る保険パンフレットの読み方とは?

「どなたでも加入できます」というキャッチには注意!

いろんな保険会社の公式ホームページを眺めていて、資料の請求をすぐにしてしまう方は多いです。でも、その前にパンフレットをじっくりご覧になっていますか?

保険の外交員の方が持ってきているパンフレットなども見ているでしょうか?

保険の外交員が内容について説明する時は、ポイントだけをまとめて説明しています。でも、あの内容のすべてを理解できているかどうかは疑問ですよね。 パンフレットを一度でも見たことのある方は分かるでしょうが、内容を見ていると保険に関する専門用語ばかりです。

普段なじみのない用語ばかりみていても、よく分からないというのが正直なところではないでしょうか? また、お客様にとって重要な箇所は、後ほど読んで下さいとでもいうかのように、最終頁に小さく書かれているケースも多いですよね。

こんなパンフレットでは、お客様が間違った解釈をしてしまうのも仕方がないのだと感じます。 保険のプロフェッショナルであるFPでも、保険の新しいプランが出たら まずはパンフレットを確認します。大まかに表紙をめくったら、一番最後のページの細かい部分を読み出します。

裏を読むことが、最もその商品を理解する近道と考えています。

お祝金という言葉には注意を!

多くのお客様が見逃してしまうであろう情報について、ここから事例をもとにお話ししていきたいと思います。

一番初めは「お祝い金」です。

ある期間の間に手術及び入院をせずに保険金の受け取りがない場合に「お祝い金」がもらえるシステムです。

言い方は「無事故ボーナス」という場合もあります。そういった「ボーナス」という言葉を出してくると、メリットとして飛び上がってしまうお客様も多いでしょう。

また、人気が出てくるのも当然です。

でも、ここで注意があります。そのお祝い金としてもらえる金額ですが、もともとの出費から積み立てたお客様のお金です。保険会社が新たにお祝い金を捻出している訳でもないので、本来はボーナスでもプレゼントでもないわけです。

このお祝い金がついていることで、実は保険料がその分高くなっていることが
あります。お祝い金なしの商品よりも積み立ての分、支払が多いのです。

その商品のタイプによって、お祝い金を作る分として、118万払ったのに、保険金の総額が114万と支払金額より受け取り金額が少ないケースもあるのです。

そして、お話したいことは、何もなかった時に貰えるお祝い金は何かあったときにはもらえない金額ということになるのです。

例としてあげるならば、入院を5日間したとします。

5万円の給付を受け取った場合には、入院しなかった場合に貰えるはずだった健康お祝い金という名目の10万はもらえない事にもなりますし、あらには途中解約した場合には支払った分の保険料の分ももらえない保険もあるのです。

こういった情報は、たいていの場合はパンフレットの裏側の細かい部分に小さな文字で書いてあります。

ただ、お祝い金がついていたから注意が必要ということではないのです。

加入するべきではないという意味でもありません。

重要なのは、商品の性質を理解して自分が納得して保険に加入することがお勧めなのです。

介護の定義についての注意点とは?

日本において、古くからある生命保険の特色というと、介護の必要な体になった時、特定の病気に罹患した時に保障がおりるということでしょう。

もしもの場合に備えて保険に加入する際には、「安心を手に入れたい」と考えるのは当然のことですよね。 重病にかかった場合、病気によって介護の必要な体になった時は、入院費、治療費もかかり、仕事もできず収入が入ってこないようになります。

その際の出費は大変なものとして考えられますので、そんな時の備えで保険加入をしておくべきと多くの人が考えています。 しかし、こういった保障を受ける際は、より重度の病気の場合であることが多いのです。

また受け取りのできる年齢が高齢である場合の方が多いので、比較的若い年代の人がこういった保障を受けることができる可能性は低いと言えましょう。 例として大手保険会社のパンフレットを見てみましょう。 保険金を受け取る際の基準の介護状態が記載されています。

だいたいパンフレットには介護状態のイラストが描かれていますが、そのイラストのようになっただけではダメで、その周辺に書かれている細かい部分をしっかりとみる必要があります。

じっくり見ると、そういった体の状態が「180日以上継続していること」「回復の見込みがない状態」に限って保障が受けられるとくわえられています。

それだけ重度の場合に保障が受けられるということで、症状が「数か月の車いす状態」「ちょっとした発作で入院した」というケースは該当しないことになります。

もしもの場合に備えての保険なのに、自分がもしもと思ったことが、該当しないという事になります。この辺が、パンフレットとお客様の解釈の違うところで誤解が生じるケースです。 また、同様のことですが「がん、心筋梗塞、脳卒中を発症した場合の以降は、 保険料の払い込みが不要です」というものがあります。

これは惹きつけられるポイントです。しかし細かい部分をよく読むと「60日以上労働を制限されるほどの状態」と記載されているのです。

労働の制限という部分を細かく見ると「家事や軽労働をできるもののそれ以外の活動が制限される状態が60日以上継続」となっています。

そのため、このような重度のケースにならない場合は、たとえ心筋梗塞で倒れても保険料はその後も支払う必要があるということです。 パンフレットを熟読しても、上記のような正確な理解は困難なケースが多いように感じます。