養老保険

高い貯蓄性に高い保険料

養老保険といってもピンとこない人でも、貯蓄がわりの保険というと、利用したことがある人もいるかもしれませんね。「払った保険料が掛け捨てになってしまうのはイヤ!」という、掛け捨て嫌いの日本人のニーズにこたえたのが、この養老保険です。

養老保険は、保険期間の間に死亡した場合には死亡保険金が、満期時に無事に生存していた場合には満期保険金が受け取れます。掛け捨ての定期保険と違って、支払った保険料がまるまるなくなってしまうことはないわけですね。

ちなみに、死亡保険金と満期保険金は同額です。定期保険と大きく異なる点は、保険料の大部分が積み立てに回されるということです。また、亡くなっても生存していても支払いが発生するのですから、保険料は高くなります。

なお、養老保険は月払いで保険料を払うケースのほか、一時払いで保険料を払ってしまうケースも多くなっています。一時払いで保険料を払うと、まとめて払った分だけ保険料をおまけ(割引き)してもらえるので、貯蓄性がアップするからです。

超低金利のあおりを受けて、下がる貯蓄性

実際に養老保険は、払った保険料の大部分を満期保険金として受け取れます。しかもバブルの頃までは、一時払養老保険に加入すると、どの保険会社の一時払養老保険も、金融商品を超える利回りを記録していました。財テクブームに乗って、一時払養老保険は、とてももてはやされたのです。

ところがここ数年、「超」が付くほどの低金利の影響を受けて、月払いで保険料を払う養老保険はもちろん、一時払養老保険でも、その貯蓄性はどんどん低下してきています。たとえば、月払いで保険料を払うケースだと、満期保険金額よりも支払う保険料のほうが多くなってしまうのが一般的。

貯蓄性が下がるのと歩調を合わせるかのように、人気のほうも陰りを見せはじめています。また、一時払養老保険については、販売を中止する保険会社も出てきています。もともと養老保険は、その貯蓄性の高さ、つまり保険料が割高になることから、死亡保障を確保するのには向いてない保険。最近では、リスクを減らすために利用される機会はめっきり減ってきています。