終身保険

確実にもらえるけど高い保険料

終身保険の「終身」は、「一生涯」という意味を表しています。被保険者(保険をかけられている人)の、一生涯の死亡保障を確保する保険が終身保険なのです。

一生涯の死亡保障ということは、不幸にして加入後すぐに亡くなっても、「きんさん、ぎんさん」のように100歳以上まで長生きしても、どの時点で亡くなっても受け取れる死亡保険金額は同額ということになります。

終身保険は、定期保険と同じように死亡保障を確保するための保険ですが、いつかは必ず保険金の支払いが発生するわけですから、もしかすると掛け捨てになる定期保険と比べ、保険料はかなり高め払い続ければ、もらい損ねがないのですから、仕方がないですね。

ちなみに保険料は、60歳などの一定年齢まで払い込む「有期払込タイプ」と、一生涯、保険料を払い続ける「終身払込タイプ」の2つがあります。

死亡保障額は低いのがふつう

定期保険では、平均的な収入のご家庭でも5000万円程度の保障を確保するのはむずかしくありませんが、終身保険で5000万円もの保障を得られる人はめったにいないでしょう。

保険料がものすごく高くなってしまいますし、終身保険で5000万円もの死亡保障が必要になるご家庭はほとんどありません。

終身保険で数千万円もの死亡保障を確保したほうがいいのは、相続税対策などを抱えている一部の資産家の話( つまりふつうはあまり関係ない)と思いましょう。

ですから、終身保険に加入する場合は、500万円とか1000万円くらいの保険金額で加入を検討するのが一般的。またここ数年、定期付終身保険に加入する場合も、主契約の終身保険部分は200万円とか、150万円程度の少額の契約が多くなっています。

終身保険では、いつかは保険金の支払いが発生するため、保険料のかなりの部分は将来の支払いに備えて積み立てられ、運用に回されています。

そのため、保険期間の途中で解約した場合には、保険料額や払込期間に応じた解約返戻金が戻ってきます。

この解約返戻金の金額を少なめに抑えて、そのかわりに保険料を安くする長割りタイプの終身保険を扱っている会社(東京海上あんしん生命、日本興亜生命、日動生命など)もあります。

また、保険料を積み立てる利率を一定期間ごとに見直していく「積立利率変動型終身保険」というタイプの終身保険を扱っている会社もあります。

積立利率変動型終身保険では、積立利率の変動によって、当初予定していたより保険金額が増える可能性もあります。加入時に決めた保険金額は最低保証されるので、契約した保険金額を下回る心配はありません。