生命保険の基本

生命保険を大きく分けると「定額保険」と「変額保険」に分類することができます。定額保険は、事故が発生した場合に支払われる保険金の額が、契約時に決められている保険です。

損害保険ならば、保険金額の範囲の中で事故などの損失を補うことができます。しかし、生命保険は、人の生死による損失の算定が難しいため、契約時にあらかじめ保険金額を決めておくのです。これに対応して登場したのが変額保険です。

変額保険は、保険会社の資産の運用実績によって、保険金額や解約返戻金が変動します。ですから変額保険というわけです。変額保険は、加入者の保険料を、他の生命保険とは別の特別勘定扱いにします。

そうすることで株式や債権の売買に積極的に運用できることになります。運用状況がよければ、満期保険金や死亡保険金などの保険金額や解約返戻金が多くなります。

逆に運用状況が悪ければ、保険金額などは減少することになります。つまり、変額保険はハイリスク・ハイリターンな保険なのです。

生命保険には貯蓄機能と保障機能がある

生命保険には、大きく分けると「貯蓄機能」と「保障機能」の二つの機能があります。

■貯蓄機能……掛け金が掛け捨てにはならず、いわば銀行の預金と同じ役目を果たします。掛け金はそのまま貯蓄された状態になります。

無事に満期を迎えたときはもちろん、途中で解約した場合でも、可能な限りの満期保険金や解約返戻金を受け取れます。

■保障機能……掛け金は掛け捨てになりますが、万が一の保障に重点をおいています。死亡や病気、ケガなど不測の事態が起こった場合に、少ない掛け金で多くの保険金や給付金が受け取れます。

実際、保険会社が勧める商品には貯蓄機能が強い商品、保障機能が強い商品とをいろいろなパターンで組み合わせたものが多いようです。一番よい商品は、この二つのバランスがとれているものです。

というのも、保障機能を強くしようとすると、掛け捨ての部分が強くなるため、貯蓄機能が後退してしまうからです。一つの目的に絞った商品を選択すると、どうしてもこのようになってしまいます。それだけに何か必要なのかを充分検討して選択することが大事になってきます。