生命保険と損害保険の違い

損害保険は「事故や災害」生命保険は「生死や病気」

偶然の事故や災害を補償するのが損害保険。

生命保険は、基本的に「人の生死」、あるいは「病気やけがによる入院」などを保障する保険です。生命保険の場合、原因は病気でも、事故や災害でも、死亡すると死亡保険金を受け取ることができます。

入院した場合も同じで、入院の原因が病気であっても、けがであっても、入院給付金や手術給付金が受け取れます(ただし5日以上の入院が対象になるなど、入院日数には制限があるものもあり)。

一方の損害保険は、「事故や災害が原因で亡くなった場合」を補償していますので、がんなど病気で死亡した場合には保険金は支払われません。入院や通院をした場合も、原則として事故や災害が原因の入院・通院だけが保険金の支払対象になっています。

そのかわりというのも何ですが、病気で亡くなる確率よりも、事故で亡くなる確率のほうが低いので、同じ保険金額なら、損害保険のほうが保険料は安くなります。

よく夕刊紙のテレビ欄の下などに、「ひと月1500円で5000万円の死亡補償が得られます!」とか、「ご家族全員の補償を月々2000円で!」といった保険商品の宣伝広告が掲載されていますが、あれは「傷害保険」という種類の保険の広告です。

傷害保険は損害保険分野の商品ですから、事故や災害については、広告どおりの安い保険料で高額の補償が得られます。

ただし病気が原因の場合は、死亡しても、入院しても、保険金や給付金を受け取ることはできないのです。「2000円で家族全員の死亡保障も医療保障も得られるお得な保険!」と思い込んでいる人にときどき出会いますが、病気の保障はないことを忘れないようにしましょう。

そのことをきちんと理解した上で、広告を見るようにしましょう。

メニュー豊富な損害保険

傷害保険のほか、損害保険分野で有名な保険は、自動車保険や火災保険、地震保険などです。自動車保険は車の事故に備える保険で、火災保険は火災に、地震保険は地震に備える保険です。

そのほかにも、スポーツをしていてけがをした場合を補償するレジャー保険(テニス保険、ゴルファー保険などが有名)、海外旅行時の死亡やけが、携行品の損害などを補償する海外旅行傷害保険、老後の生活費を準備する年金払積立傷害保険などがあります。

また損害保険会社では、2001年7月の第三分野の解禁を受けて、医療保険や介護保険の新商品を続々と発売しています。はじめて「日帰り入院」を発売したのも損害保険会社ですし、1年更新型で保険料の安い医療保険を発売している会社もあります。