「健康告知をしなくても入れる」保険について

最近、テレビなどでよく見る生命保険のCMにこのような言葉を聞いたことはないでしょうか。

「持病があっても加入できます」
「医師の診断や健康告知は不要です」

保険会社のCMでよく聞く言葉ですね。この言葉を聞いて「そうなのか、よかった。持病があっても入れるのか」と思う方も多かったのではないでしょうか。持病があっても、医師の診断もなく、健康告知もいらないのであれば加入する人が多そうに感じます。

しかし、ここでちょっと待って考えてみてください。これらのタイプの保険のメリットを考えておくことで、加入するかどうかを決めることができます。生命保険というのは、大原則として「相互扶助システム」があります。生命保険の加入者が支払っている保険料を元に保険会社は運営されています。

この大原則の元となっているのは「大数の法則」というものがあります。大数の法則はサイコロに例えると分かりやすいです。数度サイコロを振ってもどの目が上に来るかは不明です。しかし割合や平均を考えたとき、膨大な回数サイコロを振れば平均値が出ます。要するに多くの経験を集計し分析すれば傾向が見えてくるという法則のことなのです。

これを生命保険に当てはめて考えてみると、もし現在、あなたが健康体だった場合、「健康な人向けの生命保険」「持病持ちの方向けの生命保険」あなたならどちらへ加入するでしょうか。おそらく健康体の人は「健康な人向けの生命保険」へ加入することでしょう。

実は保険会社は持病持ちの方への生命保険は毎月の保険料が高かったり、死亡時の保障額が健康体の人よりも少なかったり、不担保期間が設定されていたりします。

大数の法則で言えば、だいたいの死亡率が出てくるのです。平成16年の例で言うと、日本人の40歳男性なら1万人のうち死亡者は14人ほどでした。この死亡率というのは毎年、だいたい一定した確率になっているのです。

あなたに持病があれば、持病持ちの方向けの生命保険ではなく、健康体の方向けの生命保険の診査を受けてみてはいかがでしょうか。医師の診査を受け、自分の個別リスクの査定をしてもらえれば、特別割増保険料を支払う必要がなくなるケースがあるのです。保険会社は企業であり、運営側ですから、生命保険・医療保険などについて危険分担が多いにもかかわらず、不安が少なくなるかのような商品販売方法を取っているのです。

せっかく高い保険料を支払うのですから、保険会社にはもっと性格で誠実な商品販売をお願いしたいものです。双方の合意があって初めて契約となるのですから契約の条項や保険に関しても詳しい説明をもっと保険会社側からしてほしいと思います。