変額保険

運用次第では保険金額が増える

「変額」という名前が付くとおり、保険金額が変動するタイプの保険を変額保険といいます。変額保険は、運用がうまくいけば契約時に決めた基本保険金額よりも多くの保険金が受け取れ、逆に運用に失敗した場合は、基本保険金額を下回ってしまう可能性のある運用型の保険です。

保険金額は、毎月変動するのが一般的です。ただし、「変額」のあとに「保険」ということばが付いていることに注目です。「保険である」という意味は、保険期間の途中で万が一亡くなったり、高度障害状態になった場合には、基本保険金額(契約時に決めた保険金額)は最低保証されることになっている、ということです。

つまり、運用状況が万が一悪くて、基本保険金額を下回っていた場合でも、死亡や高度障害にかぎっては、少なくとも基本保険金額は必ず受け取れるというわけです。もちろん、運用がうまくいって保険金額が増えている場合は、死亡保険金額は基本保険金額よりも多くなるのですから、最低保証は関係ありません。なお、変額保険には、終身保険タイプの「終身型」と、養老保険タイプの「有期型」の2タイプがあります。

再び注目される変額保険

ところで、この変額保険が発売されたのは1986年のことでした。1986年といえば、当時は日本がバブルの絶頂期に向かう頃。株や不動産は、上がるのが当たり前。万が一にも下がることはない、と誰もが信じていた時代ですから、株式なども積極的に運用に取り入れる変額保険は、有利な運用ができる保険というふれこみで、発売後、すぐに人気商品になりました。

ところが、です。ご承知のとおり、バブルの崩壊によって、株や不動産に含み損が出ているのと同じように、当時加入した変額保険に関しても、今では運用状況はマイナスになっている契約がほとんど。そのため年配の方の中には、「変額保険は怖い?」といったイメージを持っている人も少なくないようです。

でも、最近再び、変額保険の人気が回復してきています。なぜかって?その理由としてあげられるのは、何といっても保険料が安いこと。変額保険は、予定利率が高めに設定されています。ですから、同じ年齢や性別であれば、定額型の保険に加入するよりも、変額保険に加入したほうが保険料が安くすみます。定額型の保険の予定利率が1%台なのに対して、今でも4%台の予定利率のものがある変額終身保険は、保険料を安くすることができるのです。運用次第では保険金額が大きくなることに加えて、その点もメリットとして認知されはじめています

勉強した人ほど変額保険を選ぶ

その上、運用に失敗しても、死亡保障には最低保証があるというのですから、安心ですよね。最近は、保険についてきちんと勉強した人ほど、変額保険を選ぶという傾向も出てきています。有期型の変額保険の中には、満期保険金に一定の最低保証額を設ける会社も出てきています。株や投資信託の人気が復活するとともに、今後、運用型の保険である変額保険を扱う会社が増えていくことが予想されています。